巨人は31日のソフトバンク戦(東京ドーム)に1―3で逆転負けを喫した。

 打線は初回にウォーカーの9号ソロで幸先よく先制したが、その後はゼロ行進。散発5安打に封じ込められ、試合後の原辰徳監督(63)は「まあ、1点ではね。1点ではやっぱりいけませんね。先発(アンドリース)が頑張っていただけにね」と嘆き節だった。

 試合は1―0のまま6回まで進み、追加点を奪うべく〝勝負手〟も繰り出した。3回から3イニング連続で走者すら出せず、ようやく6回の攻撃で丸の内野安打を皮切りに二死一、二塁までチャンスを広げた。次打者はメジャー通算96発のポランコ。ここでホークスサイドは先発の石川から変則左腕の嘉弥真への継投を選択した。

 巨人ベンチも即座に〝次の一手〟を打ち、ポランコに代打・中島を送った。左打ちのポランコは左投手に対して打率3割4厘で、右投手の2割6分9厘を上回っていた。しかし、「代打の切り札」でもある中島は対左で3割6分(対右は1割2分8厘)。ベテランの経験と勝負強さにかけた格好だが、中島はあえなく初球の143キロに詰まらされ、二ゴロに打ち取られて攻守交代となった。

 ここぞの場面では大胆に動くのが原采配の特徴の一つ。ただ、接戦の中で発動した今回の一手は結果的に不発に終わった。これで交流戦のチーム打率は、12球団中11位となる2割1分3厘まで悪化。上昇気流に乗るためにも、打線の奮起は欠かせない。