レフティースナイパーが存在感を放った。ソフトバンク・中村晃外野手(32)が27日の広島との交流戦(ペイペイ)で3安打1打点の活躍。チームが主導権を握った初回の攻撃で実力をいかんなく発揮した。

 一死満塁で迎えた先制機。中村晃は重圧を一身に受けて止めて打席に入った。「プレッシャーにして…というか勝手になったんで」。前日のDeNA戦(横浜)の初回の攻撃で、鷹打線は満塁機を作りながら得点を奪えなかった。拙攻が最後まで響いて敗戦。「全部、頭に入っていた」ゆえの重圧だった。広島のエース・大瀬良から左前へ貴重な先制打。後続に勇気を与える価値ある一打が、初回3得点につながった。

 3、7回にも快音を重ねて、今季3度目の猛打賞をマーク。牧原大、レイとともに上がったお立ち台で「晃スマイル」を披露した。

 今季ここまでを「良くはないです。でも、良くもなければ悪くもないです」と振り返ると、こう続けた。「栗(原)とか(上林)誠知とか見てたら、野球ができることがありがたい。2人の分も頑張らないといけない」。栗原が左ヒザ前十字靱帯断裂、上林も右アキレス腱断裂で、ともに手術。「(2人とも)防ぎようのないケガだった」。長期のリハビリに入り、再起を目指す後輩を思い、一段と奮起していた。

「(周東)佑京も(明石)健志さんも帰ってきましたし、すごく良い勝ち方だったと思います」。酸いも甘いも経験してきた15年目の勝負師が「良い勝ち方」を演出した。