巨人が27日の日本ハム戦(札幌ドーム)に2―3で惜敗し、連敗。4日ぶりのスタメンマスクとなった小林誠司捕手(32)が3打数2安打と1001日ぶりのマルチ安打を記録したが、打線のもう一押しが出なかった。

 与えられたチャンスをものにした。打撃不調の正捕手・大城に代わって先発出場した小林は、相手エース・上沢を前に、3回にチーム初安打となる中前打。さらには2点を追う5回二死からレフトへの二塁打を放ってチャンスメークし、これが2019年8月30日の阪神戦(甲子園)以来1001日ぶりのマルチ安打となった。続く中山の右安打に相手失策が絡んで、一気に同点。試合の流れを変える一打にもなった。

 最後はあともう一押しが出ずに敗れたものの、チームにとって、この日の小林の活躍は大きい。正捕手・大城が直近6試合で19打数2安打と、打撃面で低空飛行を続けており、原監督も「卓(=大城)ねぇ…。やっぱりバッティングというものがね、なかなかここのところね。ここは自分で超えなきゃいけないところでしょう」と頭を悩ませていた。

 そんな中で、起用された小林。ベンチスタートの際も全力でナインを鼓舞する姿勢を、首脳陣は高く評価していた。元木ヘッドも「ベンチでも、試合に出ていなくても非常に声を出していてね。非常にベンチを盛り上げてくれているからいいよね」と評し、カンフル剤としての小林投入が決まった。

 正捕手の復調は待たれるところではあるが、小林の活躍は収穫。指揮官も「見事」と賞賛したことからも、次戦以降「代役」では終わらない働きに期待が高まる。