PL学園高の元監督で甲子園春夏通算58勝を挙げ通算6度の全国制覇を成し遂げた中村順司氏(75)が24日、バンテリンドームで行われた中日―西武の始球式に登板した。

 教え子である中日・立浪和義監督(52)の背番号「73」のユニホーム姿でマウンドに登場。投球はワンバウンドとなったが、捕手・木下のミットにすっぽりと収まった。「初めての始球式ですごく緊張しました。まあ最初で最後でしょう。(立浪監督のユニホームを着て)すごく重いです」と大役を務めてホッと安堵の表情を浮かべた。

 試合前までの時点で立浪竜は就任初の5連敗、借金は今季ワーストタイの4。リーグ4位と苦しんでおり、中村氏は「監督もいろいろ悩んでいるでしょうし、そういう中で交流戦で少しでも上昇すればいいなと思って激励しました。選手の大きな補強もないような状況の中で(頑張っている)。その前は勝率5割を保っていたし、これを機に上昇してほしい」と巻き返しに期待を込めた。

 さらに「試合中に選手に非常に声をかけている姿をテレビで見かける。あんまり無口だった立浪監督が選手たちにいろいろ思いを伝えているのは、いいこと」とエールを送る。

 ここまで今季無安打と不振にあえいでいる球界最年長の福留孝介外野手(45)に対しては「(PL学園で)送り出した選手たちに『30歳までやれば選手として成功者だぞ』と言っていた中で40過ぎても現役をやっている福留はすごいなと思う。今日も久しぶりに元気な姿を見て、まだヒットがないようだが、すぐにヒットが出るんじゃないかな」と〝予言〟した。

 その上で「今日も会話の中で、彼がメジャーへ行くときに、ナゴヤ球場の室内練習場で右中間の方へライナー性の打球を打っていたのが印象に残っていて『あの感じで打ってみー』と話した」とハッパを飛ばしたことを明かした。