気迫の投球も実らなかった。広島は17日の巨人戦(宇都宮)に2―3で悪夢のサヨナラ負け。通算3度目の完投勝利を目指した先発・遠藤は9回のマウンドで一死も奪えずに降板。2番手・ターリーも火に油を注ぎ、まさかの逆転負けを喫した。

 追加点がほしかった2―0の9回、一死満塁で打席に立った遠藤は遊ゴロ併殺打に倒れた。全力疾走した直後のマウンドでいきなり連打され、岡本和への四球で無死満塁となったところで交代を告げられた。ベンチからの応援も実らず、白星を目前にしながら敗戦投手に。「悔しいです。最後は、ああいった形になってしまったので、また次の登板に向けて反省したいと思います」と唇をかみしめた。

 9回の続投は「完投はしたことがあるけど、完封はしたことがないからね。完封をすれば自信になるだろうし」という佐々岡監督の親心からだった。実際に8回までは最速143キロの直球で押し込み、要所ではチェンジアップ、スライダー、カーブをちりばめて突け入るスキを与えなかった。その点は指揮官も「本当にしっかりと変化球も真っすぐも8回までしっかりと投げてくれた」と高く評価している。

 遠藤は4月21日の同カードで3本塁打を浴びるなど4回6失点(自責点4)でKOされた。この日はリベンジに燃えていただけに悔いの残るマウンドとなった。