阪神は17日のヤクルト戦(神宮)に1―2で痛恨の逆転負けを喫した。ただ、今季「8回の男」に定着した湯浅京己投手(22)は、プロ初の2桁ホールド達成。成長の足跡をさらに刻んだ。

 今季17試合目も1点リードの8回、4番手で出番。先頭・長岡に中前打など一死二塁とピンチをつくったが、ここから踏ん張った。迎えた1番・塩見をフォークで遊ゴロに打ち取る。さらに続く山崎とは、敵地・神宮の両軍ファンがどよめく熱のこもった勝負を演じた。

 2球で簡単に0―2と追い込んだ右腕だったが、173センチの小兵打者もファウルで必死の抵抗を見せ、8球目でついにフルカウントに。さらに9球目から4球連続でファウルで粘られたが「とにかく気持ちで絶対に負けないという思いで投げました。粘られましたが、それ以上に粘ってやろうと思って投げました」と、渾身の14球目の147キロに山崎はバットを動かすことができず。

 この日、アンパイアを務めた敷田球審が「見逃し三振」をコールする際に使用するお決まりの「卍ポーズ」を繰り出した瞬間が〝我慢比べ〟を制した合図となった。

 チームは逆転負けとなったが、4年目で初の10ホールド到達に「特に数字は意識していませんが、任された場面で自分の仕事を全うしてきた結果」と胸を張り「少しでもチームの力になれるように一戦一戦、成長していきたい」。2桁到達のマウンドは、試合終盤を任される救援投手の醍醐味を存分に味わえた登板となった。