久々復帰も何のその――。死球負傷により離脱していた巨人の吉川尚輝内野手(27)が17日に一軍に復帰し、同日行われた広島戦(宇都宮)で「3番・二塁」で即先発となると、4打数2安打と早速気を吐いた。

 4日の広島戦で左肩甲骨付近に死球を受けて途中交代となると、6日に骨挫傷と診断され、ファームでリハビリを行っていた吉川。晴れてこの日一軍の舞台に戻ってくると、早くも初戦から意地を見せた。

 4回に迎えた2打席目では、相手先発・遠藤からチーム初安打となる中前打。0―2で迎えた9回無死一塁の場面では、再び遠藤からライトへの安打を放ちチャンスメーク。打った直後には普段は物静かな男が珍しく感情をあらわにして大きく吠えるなど、喜びを爆発させていた。

 結果的にサヨナラ勝利につながる貴重な一打となり、復帰戦からその存在感を最大限に発揮した吉川。「いい緊張感の中でしっかり試合に入れたのかなと思います。ファームでもいい感じで打ててたんで、しっかりイメージだけはしてできたのかなと思います」と手応えを口にした。

 頼れる男の活躍に、原監督も絶賛。「非常に頼もしいですよね。(不在時には)カバーをみんなが一生懸命やってくれていたんですけど、やっぱり穴は大きかったというのが正直なところでね。そういう点ではいいスタートをまた切ってくれたという風に思います」。

 この日は今季任せていた1番ではなく3番に打順を変更。これについても「丸とウォーカーが非常にいい1、2番というものがあったものですから。そこをあえて崩すことなくね。逆に言うと何でもできる3番という部分においては非常にすんなりと、彼を3番に、というのは決まりました」と絶大な信頼感を明かした。

 好守で抜群の安定感を誇る吉川の早期復帰は、首位再浮上を狙う原巨人において最大の追い風となりそうだ。