貧打に苦しんできたオリックス打線がようやく爆発した。15日のロッテ戦(京セラ)は今季最多タイの11安打、最多得点で8―5と快勝し、4月2日以来、33試合ぶりに5点以上の得点となった。2安打2打点の伏見は「これからはガンガン打って打ち勝つ野球で頑張っていきたい」とお立ち台で宣言。7回途中を7安打4失点と苦しんだ先発の宮城に2勝目をプレゼントした。

 そんな中で心配されているのが不振にあえぐ「ラオウ」こと杉本裕太郎外野手(31)だ。吉田正が不在の中で4番でスタメン出場したが、5打数無安打、4三振とさっぱりで、打率1割2分2厘、1本塁打と昨季本塁王の見る影もない。4月27日にコロナ陽性判定を受け、隔離期間と二軍調整を経て14日に一軍復帰したが、状態は離脱前と同様に上向かず、中嶋監督も頭の痛いところだ。

 この日は1点リードの6回に無死二塁から3番の大城が送りバントし、一死三塁でラオウに回す〝お膳立て〟をした。チーム関係者は「何とか打点をつけさせてきっかけをつかんでほしかったんだろう」と指揮官の真意を察したが、結果は三塁・安田のエラーでの出塁に終わり、快音を響かせることはできなかった。

 もはや二軍で再調整してもおかしくないほどの状態だが「監督はずっと使い続けるだろう。二軍調整したところで変わらない。西武の山川のように不振でも一軍に置くことで徐々に上がっていくタイプ。待つしかない。二軍監督時代からラオウの性格をよくわかっているからこそできること」(同)と見ている。

「頑張ってもらいましょう。ラオウに…」と指揮官。眠れる大砲が目を覚ますまで、心中覚悟で見守り続ける。