その右腕と明るさが今の猛虎の頼みの綱です。阪神のエース・青柳晃洋投手(27)が13日、DeNA戦(横浜)の先発マウンドに上がる。

 今季はコロナ感染のため出遅れたが、復帰後は4試合で3勝3完投、防御率0・76と文句のつけようのないパフォーマンスを披露している。唯一の1敗が、前回6日の中日戦。竜のエース・大野雄大と互いに9回まで無失点で譲らない超ハイレベルな投手戦を演じたが、延長10回、0―1でサヨナラ負けを喫した。矢野燿大監督(53)も「ヤギには借りがある。野手がそういう気持ちを持って」とゲキを飛ばしたように、青柳もこの日の練習後、6日の試合後は味方野手から「ナイスピッチだったりとか、本当にゴメンみたいな感じだった」と声をかけられたことを明かした。

 そのうえで「負ける試合は負ける試合で『ある』と思うので」と登板翌日には、きょう13日の先発へと気持ちを切り替えたという。

 頼りになる投球同様に、今季の右腕はベンチでも絶えず笑みを浮かべて攻撃陣を鼓舞するシーンが目立つが「去年からもそうでしたけど、今年はなおさら」と意識して振る舞っているという。

「コロナで出遅れて取り返したい気持ちもありましたけど、僕が戻ってくる前までチーム自体が暗いように見えたので。最下位だろうがなんだろうが、その一試合を見に来てくれる人というのに変わりはないので」

 今や青柳の登板日で適時打を放った野手も「きょうはエースが投げているので」のくだりがおなじみになるほど、右腕の存在はチームの絶対的な選手に等しい存在だ。「前回はもう大野さんが良すぎたので。それにつられていいピッチングができたぐらいの感じ。今回もそういうピッチングができれば」と話す虎のエースは、DeNA戦でも「頼られる」ことを意気に感じて腕を振る。