今度こそチャンスをものにできるか――。中日・根尾昂外野手(22)が10日に出場選手登録され、1―0で勝利を収めた同日のヤクルト戦(神宮)に「7番・右翼」でスタメン出場。「ファームでやってきたとおり、頑張ります」と気合十分で臨んだが、この日は3打数ノーヒットに終わった。

 試合前には立浪監督が根尾に守備を直接指導。「こういう事態(木下、石川昂、平田、鵜飼がコロナ陽性となり戦線離脱)になったから上げたんですけど、もうちょっと(二軍で遊撃を)やらしてから上げたかった。(外野手の)鵜飼が陽性になったことで、ショートの方向は変わらないんですけど、ちょっと練習しながら、こっちでも見ながらある程度まで来たらショートでも使おうという考えはあります」と立浪監督は根尾にチャンスを与えるつもりでいる。

 何とか結果を出したい根尾だが、OBの1人は「根尾は強いスイングにこだわっているように見えるけどいい当たりを打たなくていい。三遊間ボテボテのような〝汚いヒット〟が増えれば相手の内野も前に出てきて、ヒットゾーンも広がる。それがレギュラーへの近道」と分析。別のOBからも「ツーストライクになったらスイングを小さくしてコツンと当てる。荒木内野守備コーチは入団から5年でたった15本しかヒットを打っていなかったけど、つなぎ役に徹するようになって2000安打を打った。いい教材がいるんだから根尾は荒木コーチを目指せばいい」という声があがっている。

「あんなにドームを沸かせられる選手はなかなかいない。何とかものになってほしい」(チーム事情に詳しい関係者)。背番号「7」の覚醒を誰もが待ち望んでいる。