年に一度の宮崎での試合が流れた。ソフトバンクは10日の西武戦(ひなたサンマリンスタジアム)が雨天中止に。先発予定だった石川柊太投手(30)は無念そうに球場を引き揚げた。

「一年に一度の宮崎での試合が中止となり、残念です。秋季キャンプで宮崎に戻ってきた時に、宮崎のファンの方々にいい報告ができるように次の登板に向けてしっかり準備します」

 かねてファン思いの石川。コロナ禍で春季キャンプが無観客開催になった時も、貴重な触れ合いの場を失い落胆するファンの気持ちに寄り添っていた。「自分も『ももクロ』が好きだから、分かるんです」。石川は「ももいろクローバーZ」をこよなく愛する〝モノノフ〟として知られる。ファン心理が理解できるからこそ、この日を心待ちにしていた宮崎の野球ファンを思いやった。

 前日には、今月7戦6発と絶好調の獅子の4番・山川との直接対決を前に「ファンの皆さんも面白い戦いが見られるんじゃないかなって思います」と語っていた石川。キャンプで見せる顔とは違うプロ野球最高峰の戦いを届けることはできなかった。

 次回登板は15日の日本ハム戦(札幌)になる見通し。宮崎のファンに「秋の優勝報告」を約束して、気持ちを切り替えた。