マインドを大事にする右腕らしく、絶好調男に向かっていく。ソフトバンク・石川柊太投手(30)が10日の西武戦(宮崎)に先発する。今季はここまで2勝0敗、防御率0・71。右足首の違和感などで一時離脱もあったが、先発陣を力強くけん引している。

「間違いなくキーマンになる」。5月に入って7戦6発の西武主砲・山川は今、最も乗っている打者。「自信満々で迷いなく振っている。際どい球で攻めていく必要があると思う。あいまいな攻めでは打たれる」と警戒しつつ「攻め方に意図があれば、たとえ打たれたとしてもダメージは少ない」と腹をくくった。

 どこも止められなかった獅子の4番。怖さよりもワクワク感が勝っている。「調子のいい山川っていうのは2018年とかも散々戦ってきた」。18年、19年の2年連続本塁打王。その残像は、パ・リーグの投手であれば、例外なく強く刻まれている。ゆえに「ここ最近の山川は逆に『どうしたんだ?』みたいな感じで投げていたりした。『あぶねっ!』みたいなのもありつつ『あの時の山川だったら行っとるなあ』みたいな感じで投げていたんで。(今は)その山川が帰ってきたみたいな感じ」。同じ1991年生まれの同級生。山川の真の実力を知っているからこそ、ノリノリの相手主砲との対戦に腕が鳴る。「自分の中ではネガティブなマインドじゃなくて、ポジティブに向かっていけるように。そういうマインドで戦っていって結果どうこうっていうのがあれば、ファンの皆さんも面白い戦いが見られるんじゃないかなって思う」。

 年に一度の宮崎でのゲーム。普段、プロ野球公式戦とは縁遠い地方開催で、球界最高峰の戦いをファンに届けるつもりだ。向こうの主砲が絶好調なら、こっちもチームとして6連勝。千賀とともに鷹の二枚看板を形成する右腕は、気合い満点だ。9日はひなたサンマリンスタジアムに隣接する室内練習場で一人黙々と調整。マウンドに上がり、山川が打席に入れば、もう一つスイッチが入る。