巨人は8日のヤクルト戦(東京ドーム)で3―4の逆転負け。守護神の大勢が1回2失点でプロ初黒星を喫した。

 最後は悲劇的な結末を迎えたが、この日のドーム内をザワつかせたのは先発した高橋優貴投手(25)の降板劇だった。5回途中1失点ながら二死から右翼フェンス上部のネットを直撃する二塁打を浴び、審判団による本塁打かどうかのリプレー検証が終わった直後に原辰徳監督(63)が投手交代を告げていた。

 検証中も投球準備を続けていた左腕はあっけにとられた表情を浮かべていたが、どういう状況だったのか。試合後、桑田真澄投手チーフコーチ(54)は「(相手の)ピッチャーに四球を出したり、内容が少し悪いというか苦しかったので。今日はもう絶対に落とせない試合ということで、監督が決断されたと思うんですよね」と説明した。

 原監督は「(5回の)先頭打者の投手への四球というのがね」とした。5回表は1―1の同点に追いついた直後。その先頭打者だった相手先発のサイスニードに、高橋は5球すべて直球を投じて四球で出塁させていた。

 桑田コーチは「先発ピッチャーにとって4回3分の2で代えられるというのは屈辱ですし、そこで代えられるようじゃダメなんですよね。もう少し信頼されて、投げさせてもらえるようなピッチングを続けてもらいたい」とエールを送った。

 当の高橋は「先発の役割を果たすことができずに悔しいです。自分を見つめ直して、しっかりとした投球をできるように準備したい」と前を見据えた。昨季のチームの勝ち頭は次回登板以降に真価を問われることになりそうだ。