阪神の主砲・佐藤輝明内野手(23)が「2年目の成長」を見せつけた。

 10―3で大勝した30日の巨人戦(東京ドーム)は7回の大量6点が勝負の決め手となった。一方で、1―2の6回に佐藤輝が放った同点適時打も、試合後の矢野監督が「テルがしぶとく追いついてくれたっていうのがあってのこと」と振り返ったように、試合の流れで大きな一打になった。

 それまで巨人の助っ人シューメーカーに苦しみ2打席2三振。いずれも落ちるスプリット系の変化球にバットが空を切った。そんな中、6回二死二塁で迎えた3度目の対戦でカウントは3―2に。嫌が応でも前の2打席が頭をよぎる場面で、佐藤輝はフルカウントからの145キロの外角直球に反応し、左前へ弾き返した。

 敵バッテリーが裏をかいた「直球」の勝負球をきっちりさばく一打。試合後は「うまく対応できました。もちろん(予測の中に)落ちる球があった中で、ちょっと浮いてきたのを1球で仕留められた」とし「何回も同じようにやられるのは…。いろいろ、こっちも準備して、配球とかをみながらうまく対応できた」と満足げに振り返った。

 矢野監督も「ああいうところでしっかりランナーを返すバッティング、レベルが上がれば、もっともっとイヤなバッターになれる」と、背番号8の成長と可能性を感じ取った。

 プロ2年目の3、4月のシーズン序盤戦を終え打率2割8分4厘、7本塁打、17打点。数字以上に光るのが三振の少なさだ。昨季173を記録したその数は30試合で30個。「5月はもっと勝ちたい」と意気込む若き主砲は、ライバル球団にとって昨年以上の脅威となりそうだ。