体調万全でも休養前のような快投を続けらるのか。疲労のため4月25日に選手登録を抹消されていたロッテ・佐々木朗希投手(20)が5月上旬に復帰することが29日、明らかになった。井口監督によると5月6日から行われるソフトバンク3連戦(ZOZOマリン)のいずれかの試合で佐々木朗を登板させる予定だという。

 今月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)で完全試合を達成。17日の日本ハム戦でも8回をパーフェクトに抑えた。そんな令和の怪物が体調万全で復帰するため、早くもネットやSNSでは野球ファンが「体の状態が戻ったのであればまた完全試合をやるのでは」と今季2度目の完全試合に期待を寄せている。だが、ファンの声とは裏腹に球界関係者の間では「もう完全試合とか無安打無四球試合は簡単にできないはず」という意見も多い。各チームの「怪物対策」が着々と進んでいるからだ。

 オリックスが今季2度目の直接対決となった4月24日の試合(京セラドーム)で初回から豪腕相手に3安打を放ったように、各チームともスコアラー陣を中心に佐々木朗の投球を徹底分析。直球、フォークの軌道や配球傾向などをデータ化しながら攻略の糸口を探り始めている。となれば、佐々木朗が疲労回復で万全の状態に戻ったとしても今後は容易に「奪三振ショー」を演じられる可能性は低い。

 あるパ球団OBもこう指摘する。「佐々木朗の直球は伸びもキレもあり確かにすごい。ただ、彼の投球は直球とスプリットが中心。この見極めさえできれば攻略は不可能ではない。実際にオリックスは2度目の対戦で打者にカウント、球種を絞らせたうえで佐々木朗を攻略寸前まで追い込みましたから。KOできるかは微妙ですが少なくとも安打や四球を奪うことは可能。ロッテは現在打線が低調で佐々木朗への援護点もあまり期待できない。相手チームは少ない好機をモノにすれば勝機はあると思います」

 佐々木朗が怪物とはいえ対峙する相手もプロ。復調してマウンドに戻る豪腕はそれでも相手を圧倒できるのか。次戦に注目が集まる。