日本ハムの「ビッグボス」新庄剛志監督(50)のパフォーマンスが23試合連続で封印されている。

 29日のロッテ戦(ZOZOマリン)が雨天中止となった日本ハムは借金9を背負い最下位。浮上のキッカケがつかめないなか、連敗を4で止めた28日のオリックス戦(東京ドーム)の試合後に「こういうゲームを必ずものにしていくチームにするから見といてくださいな!」と語り「ああいう接戦をして敗れはしましたけど、今日みたいな勝利につながる」と敗戦を糧に成長していく選手に頼もしい手応えを感じ取っていた。

 そんな指揮官が「トライアウトシーズン」「4月、5月は(戦力)見極めの時期」と語る設定通り、自らの代名詞であるパフォーマンスは3月29日の本拠地開幕戦でホバーバイクによる空中浮遊をして以降は控えざるを得ない状況だ。

 日本ハムでの最後の現役3年間、新庄監督がパフォーマンスを繰り出す試合は勝ちを想定できる試合を吟味していた。

 最もインパクトの強かったパフォーマンスのひとつ、高さ50メートルの札幌ドーム天井から宙づり降下した2006年6月6日の阪神戦も、先発したダルビッシュが2安打12奪三振の完封勝利を挙げ勝利している。

 パフォーマンスをする以上、負ければ批判を受けるリスクは常に伴う。そのリスクを軽減するために相手関係、自軍のチーム状況等を慎重に考慮しパフォーマンス敢行試合を選んでいた。しかし、立場が指揮官となり再建中のチームを預かる現在は状況が大きく異なるのだ。

 空中浮遊パフォーマンスをした本拠地開幕戦で西武に0―4の零封負けを食らったように、今は常に勝ちが計算できないトライ&エラーの日々が続いている。代名詞のパフォーマンスを繰り出す明確なタイミングのない状況の中で、ビッグボスは地味で根気のいる指導者生活に向き合っている。