これぞエースの投球だ。広島の大瀬良大地投手(30)が29日の中日戦(バンテリン)に先発し、2安打無四球の快投を披露。117球の熱投で4勝目をマークした。自身5度目の完封勝利は今季チーム初で、記念すべき球団通算4500勝に花を添えた。

 前回22日のDeNA戦(マツダ)での登板前、ナインに向けて「魂を込めて投げる」と宣言。完封こそ逃したが、その言葉通り8回1/3を1失点と力強い投球でチームを勝利に導いた。

 おとなしい性格の大瀬良はこれまでは背中で見せるタイプだったが、今年から選手会長に就任して変身。「昨年はキャプテンという形でやらせてもらっていたけど、どちらかというと話したりするのは得意ではない。普段の姿とかで何か感じてほしいなとやっていたが、新しく選手会長としてチーム全体を見て引っ張っていかないといけない。姿だけじゃなく言葉とか、いろんな形でチームに良い影響や、同じ方向を見て頑張れるように。そういう環境をつくっていけたら良いな」との思いもある。

 5回には同い年の堂林が23日のDeNA戦以来となる2号ソロで援護してくれた。「打ってくれて頼もしく思った。1点を守るという気持ちで投げた」。完封を目前で逃した前回登板の反省から「根気強く(ボールを)低めに集めて、ゴロを打たせよう」と最後まで気持ちを切らすことなく投げ続けた。

 チームの連敗を2で止めて「勝ってすごいみんな笑顔で引き返して、ロッカーもすごくいい雰囲気だった。こういう試合を続けていけるようにみんなで力を合わせていきたい」と笑顔を語る。

 前日のヤクルト戦では7回まで2ー0とリードしながら、8回に救援3投手が9点を献上して大逆転負けを喫した。エースの力投で悪夢も払しょく。気持ちを新たに2・5ゲーム差の首位巨人を追う。