ついに頼れるキューバの大砲が目を覚ました。ソフトバンクのジュリスベル・グラシアル内野手(36)が、26日の西武戦(ペイペイ)で待望の一発を放ちチームを3―0の快勝に導いた。

 第1打席に右翼フェンス直撃の三塁打で先制点を呼び込むと、第3打席には左中間席へ今季1号2ランを放った。開幕から全試合4番で出場。一時は不振により王貞治球団会長からの直接指導も受けた。ここにきて10試合連続安打と状態は上向きで大きな当たりも出てきた。

 いよいよ本領発揮のターンだ。「監督、王会長もそうだが、チーム全体が僕を信頼してくれた。使い続けてくれたことが結果につながっていると思う。チームのために頑張っていきたい」。周囲への感謝を口にして、さらなる爆発を誓った。

 チーム思いの熱い外国人選手だ。昨季は突然の〝熱血スピーチ〟で周囲を驚かせた。シーズン終盤の10月にチームの模範でもあった長谷川(現打撃コーチ)が現役引退を決断。ファームの選手に別れのメッセージを送った時のことだった。続けてスピーチを買って出たのがリハビリ中のグラシアルだった。

「いかにハセ(長谷川コーチ)が野球に向き合ってきた偉大な選手だったか。そして若手にとって見習うべき選手かということをどうしても伝えたかったようです。それほど認めさせたハセもハセですごいし、グラシアルもグラシアルでしっかりチームを見ている選手なんだなと感心しました」(チーム関係者)。

 この日から主砲・柳田も3番DHで一軍復帰した藤本ホークス。勢いに乗っていきそうだ。