オリックスのエース・山本由伸(23)の好投は報われなかった。19日のソフトバンク戦(京セラ)は6回一死一、三塁のピンチから二遊間の紅林、安達のエラーで2点を献上。打線は石川の前に沈黙を続けて援護もできず、山本は8回を6安打2失点で降板。昨年5月28日から続いた〝無双〟連勝は18でストップした。

 山本は「いい立ち上がりだった。先制点を与えてしまったことが悔しい。野手のミス? 仕方ない」と唇をかみ、中嶋監督は「なかなか点が入らず、苦しい投球をさせている。1点もやれないプレッシャーもあるでしょうし、申し訳ないと思っている」と野手陣に代わってエースに〝謝罪〟した。

 不運な敗戦となったが、チーム内の山本への評価に揺るぎはない。球界のエースに君臨し、今季も3勝1敗、防御率0・90と好調をキープ。最近は10日のオリックス戦に完全試合を達成し、もっか〝17回完全投球〟のロッテ・佐々木朗と比較されることが多いが「由伸の方が全然すごい。球種が多く、すべての精度が高い。先発投手として完成形に近い。常に0点に抑える意識、チームの勝利優先の投球をしてきたことが18連勝につながっている。だいたい場数が違うよ」「由伸だってそのうち完全試合はできる。由伸の方が無双だ」ともっぱらだ。

 佐々木朗は3年目の20歳。同じ時期の2019年の山本は先発ローテで8勝6敗、防御率1・95で最優秀防御率のタイトルを獲得している。

 完全試合には脱帽しながらも「大事に大事に育てられている。いつ休養に入るかもしれないし、ずっとローテにいるかどうかも分からない」(チーム関係者)と山本とは実績も立場も違うというわけだ。連勝は途絶えても、今後も無双エースとして「格」の違いを見せつける。