堂々と投げ勝った。ソフトバンク・石川柊太投手(30)が19日のオリックス戦(京セラドーム)に先発して、7回2安打10奪三振無失点の快投で今季初勝利。18連勝中だったオリックスのエース・山本由伸投手(23)とのハイレベルな投手戦を見事に制した。
千賀とともに鷹の2枚看板を形成する右腕は、貫禄の104球でチームの3連敗を阻止。試合後は至って冷静に「いつか負けるんじゃないですか、山本君も、という感じです。結果的に山本君に勝ったというのがチームにとって勢いづくことがあると思う。これを皮切りに(チームとしても個人としても)乗っていきたいと思います」と語った。
就任直後に「15勝」をノルマに設定して石川に大きな期待を寄せてきた藤本博史監督(58)は「あれだけ投げてくれたらね(申し分ない)。当然、0点だったら負けることはない。よく投げてくれました」と感謝しきりだった。
石川はテンポの良い投球を一番に褒め、背中を押してくれた指揮官への恩義を今も忘れていない。育成選手だった頃から打者目線で助言を送ってきたのが藤本監督。石川は今も敬意と親しみを込めて「藤本さん」と呼ぶことがある。主将・柳田らと「藤本さんを漢にする」と結集した主力の一人が石川だ。
右腕にとっても指揮官にとっても感慨深い、価値ある勝利だった。