【取材の裏側 現場ノート】「令和の怪物」と評されるロッテの大型右腕・佐々木朗希が10日のオリックス戦(ZOZOマリン)で、完全試合という歴史的偉業を成し遂げた。20歳とは思えない堂々とした投げっぷりで、思い出したのは3年前の夏に垣間見た素朴な一面だった。

 大船渡高の3年生だった当時、佐々木朗は「第29回WBSC U―18ベースボールワールドカップ」の日本代表メンバーとして選出された。そんな素質あふれる球児の意外な一面を見ることができたのは、大会の本選が行われる韓国・機張へ向かう直前の空港での出来事だった。

 出発前には「移動時間がかかるので、体調をしっかり整えたい。寝たり音楽を聴いてリラックスしたい」と語っていた佐々木朗。当時からプライベートな話題については多くを語らなかっただけに、普段はどんな音楽を聴くのか、自然と興味がわいた。

 最初こそ「好きな音楽? 日本の音楽をいろいろと聴きますね」とざっくりとした回答でサラリとかわされてしまったものの、なんとか詳細を知りたくお願いすると、頭を悩ませた後「うーん…。好きなアーティストというよりは、曲単位で聞くことが多いですかね。ただ、あいみょんさんはよく聴きます」と、はにかみながら明かしてくれた。

 当然と言えば当然だが「令和の怪物」である以前に、若者に人気の流行曲を聴く一般的な17歳。「リラックスしたい時に聴く」と語っていただけに、この日の快挙前もあいみょんの名曲で心を落ち着かせていたのかもしれない。