ソフトバンクの上林誠知外野手(26)が決意を新たに完全復活を目指すことを誓った。

 2018年に143試合で打率2割7分、22本塁打をマーク。しかし、以降は死球禍などもありスランプに陥った。今季もまさかの開幕戦2死球から10打数1安打のスタート。だが「数試合、結果が出なかっただけで、ここまでやってきたことを変える必要はないと思う。自信を持ってやっていいとコーチにも言ってもらっているし、自分を信じるしかないので」と口にした。

 気持ちを強くする理由もある。3月30日のロッテ戦(ZOZOマリン)で中堅手として左中間への打球の落下点に向かい、左翼から打球を追ってきた栗原と交錯した。栗原は左ヒザの前十字靭帯断裂などで長期離脱を余儀なくされた。

 完全にプレー中の不慮の事故だったとはいえ、試合後「ごめんな」と声をかけた。「あいつも『全然大丈夫です』と言ってくれましたけど…。自分が元気ない感じでやっていたら、あっちも心配になっちゃうと思うので。あいつのためにもそうだしチームのためにも。頑張らなきゃという思いは一層強くなりました」。

 ブレーク初年度の2017年。当時打撃コーチだった藤本監督は上林のために「50打席はください」と工藤前監督に直訴している。現在も「打ちだしたら打つと思う」と明言。わずか13打席で判断するつもりはない。もちろん、上林にとって指揮官への恩返しも原動力だ。「本当にやらないといけないと思ってます」と力を込めた。