長い長いトンネルの出口はどこにあるのか――。阪神は2日の巨人戦(東京ドーム)に4―5で敗れ、地獄の開幕8連敗。1979年にヤクルトが記録したセ・リーグ記録にとうとう並んでしまった。チームは直近5試合で4度目の1点差負け。あと一歩のところで勝利の女神に見放される展開が続く。

 この日の幕切れも残酷だった。3―5と2点を追いかける9回、阪神打線はロハス、近本の連続四球などで一死二、三塁のチャンスをつくると、続く糸井の中前適時打で1点差にまで迫る。

 なおも一死二、三塁とし、次打者は規格外男・佐藤輝。犠飛でも同点。長打が出れば一打逆転の大チャンスにベンチも左翼席の虎党も大きく沸いたが、5球目の内角直球に手を出し、遊撃へのハーフライナー。ギャンブル気味に飛び出していた三走・近本はあわてて三塁へ戻ろうとしたが、間に合わずタッチアウト。まさかの併殺劇で今季初勝利は消えた。

 矢野監督は試合後、肩を落としながらも「(近本は)ギャンブルで行ってるんで。こっちの責任です。近本は悪くない」と背番号5をかばい、球場を後にした。