貧打解消の切り札となるか。中日のドラフト2位ルーキー・鵜飼航丞外野手(22)が30日のDeNA戦(バンテリン)でプロ入り初アーチを含む4打数2安打3打点。試合は6―7で敗れたものの本拠地初スタメンで見事な活躍を見せた。

 鵜飼は4回に相手先発・石田からレフトスタンド中段へ1号2ランを叩き込むと、8回一死一、三塁の場面では左前適時打。地元・名古屋出身だけに「(ダイヤモンド一周は)あっという間でした。拍手や歓声が盛大なのでテンションが上がります。いい気分で野球をやらせてもらいました」とホームの応援に感激した。

 この日は中京大中京高の後輩・高橋宏がプロ初先発。残念ながら5回4失点で負け投手となったが、立浪監督は間隔をあけてまた先発のチャンスを与えるつもりで、チーム内でも中京大中京コンビへの期待は高まっている。中京大中京の高橋源一郎監督も「(先輩が)一軍で試合に出ると後輩たちにもいい刺激になります。指導者として『あいつはこうだった』とか『(鵜飼や高橋宏に)負けてないぞ』という言葉にも説得力が出てくる。目標になる物差しとなるからいい影響が出ます」と先輩の活躍による母校へのフィードバック効果に感謝している。

 2カード連続負け越しとなった中日だが「今季は鵜飼、高橋宏、石川昂、岡林、根尾と楽しみな選手が多い。立浪監督がどれだけガマンして使うか楽しみ」(中日OBで元外野守備コーチの豊田誠佑氏)と若手に対する期待は大きい。立浪監督が「思いきりのいい選手。荒さもあるけど楽しみ。これから試合に出ていく中でボール球を振る回数が少なくなればチャンスも増えてくる」と高く評価する鵜飼の成長力に注目だ。