大逆転で開幕スタメン入りはあるか。中日・根尾昂外野手(21)が悲壮決意で限られたチャンスにかけている。

 オープン戦は12試合に出場しているが、先発起用は2度のみ。19日の楽天戦(バンテリン)では1―0の5回先頭で代打に起用されて相手先発の岸から中前打。すかさず二盗に成功し、岡林の右前打で生還するなど存在感を見せた。

 2試合連続代打で結果を残し、打率は3割3分3厘まで上昇。それでも根尾は「好調だとは思っていない。その1打席で終わり。次があるとは思っていない。1回1打席、簡単にやられるだけで一気に変わるので」と気を引き締めている。

 右翼定位置を争う岡林はここまでオープン戦全15試合に先発出場し、打率2割9分6厘と結果を残している。だからこそ根尾は「限られたチャンスを2日連続で安打1本ずつだが自信にしたい。ただ、最後(2打席目)の三振だったり、まだまだできることはもっとあると感じているので、満足せずにやりたい」との思いも強い。

 立浪監督は「結果が出てますし、どんどん自信になっていけばいいかなと思う」と話すが、根尾に関しては開幕一軍入りも明言していない。大島が中堅に君臨し、右翼には岡林がいる。ただ、開幕左翼が有力視されている新人の鵜飼は打率2割を切るなど下降気味。チーム関係者からは「レフト根尾という手もある」の声も上がっている。

 2年連続の開幕スタメンを簡単には諦められない。根尾は途中出場から打撃でアピールするだけでなく、得点に絡む走塁や「自信がある」という肩や足を生かした守備でもチームに貢献しようと必死だ。