巨人に〝外国人枠論争〟が勃発だ。25日のプロ野球開幕を控え、17日までに新外国人の全4選手がチームに合流した。次の焦点は、最大5人の一軍登録枠の中で8人の助っ人をどう運用していくか。原辰徳監督(63)が掲げた年間の理想形は「野手2、先発投手2、救援投手1」。その一方でチーム内からは「救援重視」の声も上がり、正解が見えない議論が白熱している。

 ついに全戦力の顔ぶれが揃った。この日は新助っ人のマット・アンドリース投手(32=前マリナーズ)がジャイアンツ球場で始動。18日のロッテ戦(東京ドーム)で一軍デビューが予定されるグレゴリー・ポランコ外野手(30=前ブルージェイズ3A)とアダム・ウォーカー外野手(30=前米独立リーグ)、一軍練習に参加する見込みのマット・シューメーカー投手(35=前ジャイアンツ3A)と合わせ、新助っ人の全員がスタートを切った。

 V奪回には助っ人たちの活躍も影響してくるが、5人まで登録できる「外国人枠」をいかに振り分けるかは首脳陣の腕の見せどころだ。

 原監督は「現実はどうなるか分からない」とした上で「理想は2、2、1。先発候補3人のうちの2人。野手も3人のうちの2人。リリーバーは2人のうちの1人」と断言。野手はポランコ、ウォーカーとウィーラー、先発ではアンドリース、シューメーカーとメルセデス、そして救援はビエイラとデラロサの〝新旧守護神〟からそれぞれ選抜するとした。

 中でも投手の「3枠」は悩ましい選択となりそうだが、指揮官は「リリーフに2人の外国人を使うことが、果たして効率がいいのか。チーム状態が良くないと(試合に外国人の)5分の2が出ないということになる。それぐらいのカバーを、なぜ大和魂(日本人選手)ができないのか。甘やかしですよ」とズバリ。確かに「勝利の方程式」を担ってきたビエイラとデラロサがビハインドの展開で登板する機会はほぼない。それならば、助っ人リリーバーを1人に絞り、救援起用が確定したドラ1右腕・大勢投手(22=関西国際大)ら日本人で〝穴埋めせよ〟というわけだ。

 一方、チーム関係者からは「今年は先発かリリーフかだったら、リリーフでしょう」との声も上がる。その理由は大きく分けて2つあるという。

「今季は『延長12回制』が復活するし、信頼できるリリーフがいっそう必要になる。今はなかなか状態が上がっていなくても、実績のあるビエイラとデラロサは欠かせない。あの2人がいるからこその安心感があった」(同)。また、別のチームスタッフも「(中川)皓太が開幕に間に合わなさそうな状況もあるし、鍵谷の調整も遅れている。やっぱりビエイラとデラロサは必要でしょう」と〝救援推し〟だった。

 とはいえ、リリーフ陣を充実させて先発陣に〝隙〟が生まれれば、早期降板のシワ寄せがブルペン勢に押し寄せる可能性もある。かと言って、指揮官が「理想」とする和製リリーバーが次々と誕生するのかどうか。比重を置くべきは先発なのか救援なのか…。議論が尽きることはなさそうだ。