日本ハムの「ビッグボス」こと新庄剛志監督(50)の〝陽動作戦〟に開幕2カード目で対戦する西武が疑心暗鬼となっている。

 新庄監督は10日後に迫ったソフトバンク戦(ペイペイ)の開幕投手について「まだ自分でも分からない」と煙幕を張りつつ「いい投手を3、4番目に持っていったら相手の投手は3、4番手。勝ちはもらえるよね。(開幕で投げてくる)相手のいい投手は全力で全員がつぶしにいけば勝ちを取れる。俺はそっちの考え」とコメント。昨季12勝の上沢直之、10勝の伊藤大海の2枚看板をあえて開幕カードでは登板させない大胆プランをにおわせている。

 これに敏感に反応しているのが開幕2カード目、敵地・札幌ドームの開幕カードで日本ハムと対戦する西武だ。

 スコアラーらの声を総合すると「開幕戦に上沢、伊藤の2枚看板を使わないとすると、その2枚を同時に(2カード目の)ウチに投入してくるパターンも想定しておかなくてはいけない。さらに、それが2戦目、3戦目だとすると…。敵地での開幕カードを1勝2敗でいいのなら(札幌)本拠地開幕で3連勝を狙ってくるんじゃないか?」と奇想天外な新庄采配を警戒している。

 新庄監督は12日の開幕ソフトバンク戦に「もうグッチャグッチャにしてやろうって。はぁ? 誰やねん、お前」という選手起用をほのめかす一方で「開幕カードは1勝できればもうけもの」とも語っている。敵地開幕を1勝2敗で乗り切ったその後に「ドえらいことをする計画を立てている」という29日の本拠地開幕セレモニーから反転攻勢をかけ、上沢、伊藤を投入して3連勝に成功すれば…トータルでは4勝2敗と勝ち越しに成功する計算だ。

 打線は未知数だが、日本ハム投手陣はオープン戦で12球団唯一の防御率1点台(1・87)を誇っている。戦力はなくても相手を惑わせるこの無形の力がビッグボス野球の真髄なのかもしれない。