楽天・田中将大投手(33)が15日のオリックス戦(静岡)に先発し、4回81球を投げ3安打2失点4四球と精彩を欠いた。

 この日がオープン戦2度目の先発となった右腕は、4回に3者連続四球での押し出しを含む2失点。降板後は「風の影響でボールが思うように全然動かないので」と渋い表情。その上で「今日のこの状況は普通じゃないので。ここ(強風の悪条件)に対応するために合わせる必要はないかなと思う。自分が必要かな、というところをしっかりと次の登板に向けてやるだけです」と前向きに語った。

 田中将は開幕2カード目の29日オリックス戦(京セラ)での今季公式戦初先発が濃厚。〝前哨戦〟だったこの日の乱調は誤算だったはずだが、周囲はこの日の結果をそれほど不安視していない。強風の影響もさることながら、今季の田中将には昨季の成績を下回る要素が限りなくないからだ。

 米メジャーから8年ぶりに古巣復帰した昨季は相手打者の詳細も分からず、開幕直後から右足の故障を含め試行錯誤の連続。加えて打線の援護にも恵まれず、最終的に4勝9敗という不本意な結果に終わった。だが、今季は相手打者の傾向も把握済み。日本のボールにも慣れ、直球、変化球ともにボールの精度も高まりつつある。ケガさえなければ、今季は開幕から白星量産を狙える可能性は十分にある。

 さらにチームの課題だった攻撃力も西川の加入に加えルーキー・安田や6年目の田中和、9年目の和田恋ら若手、中堅選手が次々と台頭。13日のDeNA戦で15安打6得点を奪ったかと思えば、この日は19安打14得点で快勝。強力打線がオープン戦首位の原動力になっている。

 石井監督も「まったく心配していないです。たぶん(今日は)天候のせいだと思うので」と田中に関しては全幅の信頼を置くだけに…。昨季の経験と強力打線を味方にする今年のマー君に「不安」という言葉は必要ないのかもしれない。