
【核心直撃】果たしてベテランの思いは――。V奪還を目指す原巨人は開幕・中日戦(25日、東京ドーム)に向け、戦力の最終チェック中。今季は原辰徳監督(63)が「力が五分五分なら若手を使う」と公言し、ルーキーや2~3年目の若武者が躍動している。そんななか、もっとも〝逆風〟を浴びているチーム最年長・中島宏之内野手(39)を直撃。残り101安打に迫った2000安打、師匠への感謝の思い、そしていつかは訪れる「Xデー」…。プロ入り22年目の開幕を10日後に控えた「ナカジ」が心境を赤裸々に語った。
――代打起用が続くなか12日のオリックス戦(京セラ)で、初安打が二塁打と調子も上向き。キャンプでの取り組みは
中島 特に不安ということはない感じです。キャンプ中はしっかり(打撃フォームの)形作りをしました。
――今季はチーム最年長。球団からは若手育成も期待されている
中島 めっちゃ若い子に突然、「こうやって打ちたいんですけど」と(聞かれる)。練習をやっている最中には(当然)野球の話になるので、会話はして練習してます。
――4番・岡本和が中島選手の技術に「すごい」と感心していた。岡本和とはどんな話を
中島 そうですね。「今年こうやって打とうと思っているんです」と、いろいろ彼も言っていたし。「どういうふうに体を使っているんですか?」と、聞かれたこともありましたね。(具体的に)誰とどう話しているというのは言えないですけど、練習する中で常にじゃないけど、話してますね。
――今季のチームのテーマに勝負弱さの克服がある。中島選手は昨季の得点圏打率が3割8分5厘。勝負強さの秘訣は
中島 いろんなシチュエーションをイメージしてバッティング練習をしてます。ランナーいてないけど、試合前の打撃練習でもここにランナーがいると想定して、こっちの方向に打とうとか。1球ごとに(想定を)変えて。走者二塁、二、三塁とか。外野フライでいいなとか。実際、チャンスで行かせてもらったらどの打席も打ちたいから。チャンスだとさらに打ちたいから、そこで力まんようにと思ってますけど。
――今年でプロ生活22年目。西武入団時からの師・土井正博コーチ(78)の教えは今も生きている
中島(土井さんには)今でも電話して教えてもらうこともある。まあ、細かく(指導は)はないですけどね。いまだに教えてもらっているから、若い時から言われていることとか自分なりにアレンジしてやってこれていると思います。
――土井さんも中島選手の2000安打達成を期待。残り101安打となったが、現時点でどう受け止めている
中島「打ちたいな」という思いは2000安打とかじゃなくて、試合に出たら常に全部の打席、「打ちたいな」と思っているから。今どうこうっていうのはないですけど。(土井さんには)昔から「2000安打を(打ってほしい)」というふうに言われて、ずっと、気にはなるかな。でもいきなり明日、打てることはないから、出る試合は常に打ちたいと思うだけですね。
――原監督が「力が五分五分なら若手を使う」と明言。中堅・ベテランへのゲキの意味もある
中島(試合に)出る出ないは自分でどうこうできない。オーダーを監督、コーチが決めて「今日はこれで勝とう」と(いうこと)。出た時に結果を残せるように、と思っているだけです。
――昨年の亀井(現コーチ)など同世代の引退が増えていくなか、自身の引き際についてイメージはある
中島 いつかは(現役を)辞めると思いますが、どうやったら(=何を達成したら)辞めるというのはないですね。言うなら試合も勝負だし、打席に入ったらピッチャーとバッターの勝負。打ってやろうというのが常にある。だから準備もしようと思うし、そういうのが「もうええやっ」と、思ったら辞めるだろうし。だけどまだまだ勝負したいというのが強いですね。
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