まさに〝直接対決〟となる「最終テスト」で決断を下す。ソフトバンクの藤本博史監督(58)が14日、オープン戦のラストとなる20日の広島戦(マツダ)で、開幕ローテの残り1枠を決めることを明言した。

 エース・千賀、石川を軸として、和田、東浜、松本まで内定済み。あとは開幕カード日本ハム戦の3戦目の先発を託されることになる「6人目」だけとなっている。

 候補となっている田中正義投手(27)、杉山一樹投手(24)、大関友久投手(24)の3人を同日登板させて、その投球内容を踏まえた上で最終的な選択をする。

「広島戦の最終戦で3回、3回、3回なんかも面白いんじゃないかと思っている。3回、3回、3回で一番良かった投手を使おうかなと。(本番の先発も)5~6イニング行ってくれたらと考えているので。(3投手の振り分けは)4回、3回、2回になるかもしれないし、どうなるか分からないけど、そのような考えで最後の1枠は考えてます」と青写真を口にした。

 指揮官が「今のところ内容は一番いい」と話すのが田中だ。昨季はリリーフとして一軍で自己最多の18試合に登板。ステップアップを誓う今季は初の一軍先発でプロ初勝利を狙う。直近の登板では10日の教育リーグ・中日戦(タマスタ筑後)で最長の5回を投げて1失点に抑えている。

 また、3人の中で唯一、一軍での先発経験があるのが、最速160キロを誇る豪腕の杉山。昨季は9月24日の日本ハム戦(ペイペイ)で5回を投げて1安打1失点の好投も見せている。ただ、13日のヤクルト戦(神宮)の先発では、5イニングで3安打4四死球3失点と課題の制球面に苦しんだ。

 大関は「左として期待するものが大きい」(斉藤投手コーチ)。ベテラン・和田に続く先発左腕として期待がかかる。昨季はウエスタンで6勝を挙げ、防御率1・17の好成績をマークしている。一軍でもリリーフで12試合に登板した。オープン戦はここまで2試合で4イニングを投げて2安打無失点の内容となっている。

 仮に開幕ローテから漏れたとしても、再びチャンスは訪れるだろう。それでも、それぞれにとって初の開幕ローテ入りが大きなきっかけとなるのは間違いない。重圧のかかるマウンドで誰が最後の切符をつかみ取るか――。