開幕一軍を目指して春季キャンプから猛アピールを続けてきたソフトバンク・井上朋也内野手(19)の二軍降格が決まった。13日のヤクルトとのオープン戦(神宮)後に、藤本博史監督(58)が明かした。

 井上は「8番・三塁」でスタメン出場。前日の同戦で3打席連続三振を含む4打数無安打に終わっていた若鷹にとっては挽回の機会だったが、2打席とも空振り三振に終わった。

 川瀬、柳町とともにファーム行きを告げた指揮官は、オープン戦チームトップの6打点を叩き出していた井上の降格理由について、次のように説明した。「結果を出しているので、もうちょっと置いておきたかったけど、セットになってクイックされたら間合いが取れず自分のスイングができていない」とまずは技術的な問題を指摘。

 その上で「そこをずっと課題にしていて昨日から5三振。2年目にしては十分な仕事をしてくれているけど、彼の場合は控えでおってもしょうがない。レギュラーを取らないといけないわけだから、二軍でしっかり結果を出して、状態がいいと聞いたら上げてすぐに使う形にした方が彼のためになるんじゃないかなと考えた」と明かした。

 高卒2年目ながら肉体的強さと非凡な打撃センスは証明済みで、王貞治球団会長(81)が昨秋から継続的に熱血指導する逸材だ。ファンの間でも「希望の星」として注目を集めていた存在。開幕一軍に生き残るために「松田さん、リチャードさんがいるので、ビックリするくらいの結果を残さないといけない」と立場を理解した冷静さを併せ持つなど、19歳とは思えない堂々とした振る舞いも周囲の期待値を押し上げていた。

 主力陣のギアが一気に上がる3月中旬に、東京遠征参加の切符を勝ち取り、首脳陣を大いに悩ませた〝実績〟は今後の糧になり、アドバンテージにもなるはずだ。