左膝前十字靱帯再建術から復帰を目指す西武・若林楽人外野手(23)が着実に復帰ロードを歩んでいる。

「1番・中堅」で出場した6日のイースタン教育リーグ・DeNA戦(カーミニーク)では、先頭打者本塁打を放ち存在感を示した。8日の同ヤクルト戦(戸田)では適時打に加え昨年、わずか44試合で20盗塁を稼いだ持ち前の俊足で、術後初となる二盗にも成功した。

 さらに、11日のDeNA戦(カーミニーク)では実戦復帰後初めてフルイニング出場を果たし、9回の第4打席で左翼へ教育リーグ2号弾を放ち、本人が走力よりもこだわる打力でアピールを繰り返した。

 現在、参加している二軍・B班での課題について若林は「今はいろいろなことにチャレンジしてやっている。一軍に上げていただいたとしても活躍できないと意味がありません。まずは『できる』という自信をつけること」と語っている。
 もちろん、そこには昨年5月30日の阪神戦(メットライフ)で左ヒザに負った大ケガの反省がある。

 後にこの悪夢を「ケガをする運命だった」と語った若林は「あれだけ毎日全力でプレーしながら人よりも多く走っていればヒザへの負担は多い。シーズンのスケジュールの後先もあまり見えていなかった」と、たまった疲労の中で起きるべくして起きた事故を反省した。その教訓を肝に銘じ「自分の弱い部分を知ること、自分の体をもっと知って、その日の準備をすることが大事」と再出発を図る今季に臨んでいる。

 チーム状況から見ても、2週間後に迫った開幕一軍は現実的ではないが、辻監督が高い期待をかけるチャンスメーカーは2年目のリベンジに虎視眈々と爪を研いでいる。