渡辺主筆と桑田コーチが一緒に! 燦燦会集合写真に隔世の感

2022年03月08日 14時00分

鍵を握る桑田コーチ(東スポWeb)
鍵を握る桑田コーチ(東スポWeb)

【赤坂英一 赤ペン!!】今年の巨人、最大の鍵を握るのはチーフに昇格した桑田投手コーチだ。オープン戦ではマウンドに行く役割を山口コーチに任せ、自らはイニングの合間に投手に寄り添って助言。そんな姿がファンを引きつけるのは、桑田コーチのオーラゆえか。

 私が驚いたのは、1日に開かれた燦燦(さんさん)会総会での一コマである。原監督以下、元木ヘッド、阿部、亀井ら各コーチとともに桑田コーチも登壇。渡辺読売グループ本社代表取締役主筆とメディアの写真撮影に応じたのだ。

 マスコミ各社にはごく普通の集合写真のように報じられたが、かつて桑田コーチの借金報道に関わっていた私にとっては隔世の感があった。

 桑田コーチは現役投手だった1991年、義兄(姉の夫、現在は離婚)による不動産投資の失敗で、14億円以上の借金を抱えていることが発覚。当時の武石球団代表補佐がグアムキャンプで正式発表し、読売本社が桑田の救済に乗り出すことになった。武石補佐にそう指示したのが、現主筆の渡辺オーナーである。

 桑田の年俸は読売本社の管理下に置かれ、返済計画が始まった。完済には程遠かった97年、桑田がFA権を取得してメジャーに挑戦したい意向を明かすと、渡辺オーナーが激怒。「俺が肩代わりしている17億円の借金はどうなるんだ!」と具体的な額を暴露した。

 そんな確執から桑田は引退後、渡辺主筆の目の黒いうちは巨人に復帰できないといわれた。燦燦会の写真はそういう過去の確執も借金も解消されたことを、改めて印象づけた。どうやって返済したかは分からないが。

 その桑田コーチに託されているのは、言うまでもなく投手陣の再建だ。優勝した2020年にリーグ1位だったチーム防御率3・34は昨季リーグ4位の3・63に悪化。菅野が6勝どまりで、10勝以上が高橋1人だった投手陣をどう立て直すのか。

 桑田コーチが背番号73を受け継いだかつての藤田監督は、師としてだけでなく、投手陣全体の育成とマネジメントにも優れていた。89年には斎藤をオーバースローからサイドスローに改造し、2年連続20勝で最多勝を取るほどのエースに再生。90年には斎藤や桑田に加え、宮本、香田、木田に自己ベストの2桁勝利を挙げさせ、“10勝クインテット”を実現している。

 桑田コーチが藤田監督のような手腕を発揮すれば、次期監督説も現実味を帯びてくるはず。今季の開幕が楽しみである。

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。

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