V奪還へ向け次々と新機軸を打ち出している原巨人が、またもや仰天練習を導入だ。オープン戦・西武戦(2日、東京ドーム)の試合前練習で、客入れ前の閑散としたスタンドに見慣れぬ光景が…。DJブースを組んだ男がノリノリでターンテーブルを回していたのだ。ナインたちも興味津々のなか、打撃練習時の音楽をクラブサウンドで演出。果たしてその正体は――。

 巨人のユニホームを身にまとった男がクラブさながらにDJブースを操作。東京ドーム内には、これまで通常時に流れていた流行りの邦楽メドレーとは打って変わり、欧米のヒットチャートやJ―POPが途切れることなくノリノリで流され続けた。音楽に合わせて打撃練習をするGナインの打球も、心なしかいつもより飛距離が伸びた印象だ。

 謎の男の正体は、今季から新たにスタジアムDJに就任した世界的ヒップホップミュージシャン「DJ SOULJAH」だった。
 
 国内だけでなくアジア、欧米など世界中で活躍し「VIB=Very Important Banger(クラブで最も目立つ重要人物)」との異名も持つ。また、ジェイ―Z、カニエ・ウェストらのプロデューサーであるヒップホップ界の重鎮、ジャスト・ブレイズからは「最強の日本人DJだ」と称賛されるほどの才能の持ち主だ。そんな天才DJがミックスした音楽が、リアルタイムで球場内のスピーカーから再生されていた。

 過去に例を見ない試みは選手からはすこぶる好評。主将・坂本が練習の合間に自らDJブースに近付き「めちゃくちゃ良いっすね!」と笑顔を見せれば、主砲・岡本和も同様に接近してまさかの選曲リクエスト。皆一様にノリノリで練習に臨んでいた。

「DJ効果」がさっそく出た。岡本和が西武戦の4回にチーム1号となる1号2ランをバックスクリーンへ。7回に中田も続き「令和のON砲」がサク裂すると、3―2で8戦目にして対外試合初勝利を飾った。

 チームに勝利を呼び込んだDJ SOULJAHは「選手の方から選曲のリクエストなどがあれば随時受け付けます」と心強い一言。一流DJによるライブが練習中に楽しめるという事もあり、岡本和らナインにとっては贅沢の極み。ジャンルの垣根を超えたスペシャルサポートで、今季のG戦士のテンションは爆上げとなりそうだ。