早くも163キロのロッテ・佐々木朗希 完全先発ローテのカギを握る男

2022年02月28日 11時30分

順調な仕上がりを見せる佐々木朗希(東スポWeb)
順調な仕上がりを見せる佐々木朗希(東スポWeb)

〝令和の怪物〟ロッテ・佐々木朗希、3年目にしていよいよ本領発揮のときを迎えたようだ。2月19日の日本ハムとの練習試合では自己最速タイの163キロを計測。「いずれ170キロ超えるかも」「最多勝も狙える」と、偵察に来た他球団のスコアラーを驚かせた。

 中6日で先発した同26日の西武との練習試合では最速158キロ(テレビ中継)止まりだったが、3回を完璧に抑えて7奪三振。山川、森ら主力を相手に圧巻の投球を披露した。

 佐々木朗は初めて一軍に昇格した昨季、11試合に登板して3勝2敗、防御率2・72。経験を積んで自信もついたようで、井口監督は開幕から先発ローテに入れると明言している。

 しかし、佐々木朗本人は周囲の期待をよそに、至って冷静だ。スポーツ紙のインタビューでは、今季の目標を昨季の倍の「22試合登板」に設定。完投についても「難しい」と、まだ体力的に課題があると明かしている。

 そんな佐々木朗を真のエースに育てられるか、コーチ陣の指導力に負うところも大きい。その中でも中心的役割を担っているのが、今年就任した木村龍治投手コーチだ。

 木村コーチはかつて、佐々木朗と同様に甲子園を目指し、悔しい思いをしている。中京(現中京大中京)のエースとして1988年選抜に出場。ベスト8をかけた宇部商戦で、完全試合にアウト2つと迫りながら本塁打を浴びて逆転負けした。

 その後、青学大を経て92年秋のドラフト4位で巨人入り。1位の松井秀喜氏と同期入団で、中継ぎ投手として活躍し、2000年のミレニアム優勝に貢献している。
 04年に引退し、05年から二軍トレーニングコーチ補佐に就任。このとき自らコンディショニングの専門家や指導者に助言を求めた。当時、その理由をこう語っている。

「これからは選手の指導にも科学的根拠が必要でしょう。プロよりもアマのほうが進んでいる面もある。新しいものを取り入れて、選手が納得してくれる指導をしたい」

 そういう信念を持って15年間コーチを続けたのち、巨人を退団。そこで社会人の名門ホンダに誘われ、20年の都市対抗優勝に一役買っている。

 それだけ知識と指導歴の豊富な木村コーチは、佐々木朗になるべくプレッシャーを与えない起用法を考えているという。ローテをしっかり守れるよう、きっちり中6日で回していくつもりだ。

 ここは私たちもファンも焦らず、急がず、その成果を待ちたい。

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。

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