サッカー元日本代表FWとして活躍した武田修宏氏(54=本紙評論家)が「ビッグボス」に友情のエールを送った。プロ野球・日本ハムの新庄剛志監督(50)が大きな注目を集める中、過去に番組共演などで親交がある武田氏が2人の〝秘話〟を大公開。さらに、指導者としての道を歩み始めた盟友に対して「長嶋茂雄さんのような監督になる」と太鼓判を押した。

 野球ファンのみならず日本中が新庄監督の話題で持ち切りとなる中、武田氏もビッグボスに熱視線を送っている一人だ。武田氏は「以前に番組で共演することがあって、収録やそれが終わった後も話したりしたんだけど〝スター談義〟で盛り上がったんだよ」と切り出すと、出会った当時を次のように振り返った。

「発想や性格の明るさで意見が合ったんだ。例えば『お客さんが多いと活躍する』。試合前にスタジアムで必ずお客さんがどれくらい入っているのかチェックする。お客さんが多いと盛り上がるし、そういうときは必ず活躍するんだよ。テンションの上がり方だね」。大舞台になればなるほど、闘志を燃やして勝負強さを発揮する。そんな〝スター気質〟に、武田氏は強いシンパシーを感じていたという。

 それだけではない。「考え方も共感したね。プロフェッショナル、スターは〝ショー〟が大事なんだというね」。より多くのファンを獲得するためには、実力だけでなくパフォーマンスも必要。それこそが、万人に認められるスーパースターの条件という共通認識を持っていたのだ。

 その2人が、すぐに意気投合したのも自然な流れだった。「年代も近いし、新庄さんが阪神でプレーしているころにJリーグが全盛期でヴェルディ(川崎)も黄金期だったから『武田さんの人気はすごかったですよね』と言ってくれてね。僕も清原(和博)さんや桑田(真澄)さん、工藤(公康)さんなど野球界のスターに憧れがあった」

 現役時代は野球界とサッカー界が人気を二分。競技は違えど、個性的なスター選手として互いに刺激し合う存在だったのだ。「新庄さんは赤が好きだけど(赤いリストバンドなどを愛用)、僕も赤が大好きでね。赤色のスパイクを履いたりしたよ」

 さらに武田氏は、今も抜群のスター性を誇る新庄監督にあの国民的英雄の姿を重ねている。「ヴェルディ時代に巨人軍と練習する機会があったんだけど、長嶋監督にいきなり『武田くん、ランチ、行きましょうか』と誘われてね。一緒におにぎりをほおばったんだよ。あの長嶋さんとだよ。スターって華やかだけど、庶民的で誰とでも変わりなく接する。そういう器の大きさがある。新庄さんは、そういう長嶋さんのような華やかさと気さくさを併せ持っているんだ」。思い出を語りながら「ミスター」と「ビッグボス」の共通点を指摘した。

 もちろん、指導者としての期待も大きい。「僕たちは目立つことでプレッシャーもかかるけど、そこで結果を出してきた。そういう時代を生きてきた。今は〝ダメ〟が多い時代だけど、お客さんも楽しいことを求めている。新庄さんは目立ってきっと結果も出してくれるはず」と活躍に太鼓判を押した。

 一方で〝盟友〟の指揮官就任には、武田氏も大きな刺激を受けている。「自分もJリーグで監督をやりたいね。ピッチからサッカー界を盛り上げていきたいんだ」と自らも監督業への転身に強い意欲を見せた。

 いずれにせよ、武田氏の見立て通りなら新庄監督が「名将」となる可能性も十分。今後の動向に、ますます注目が集まりそうだ。