今年もカッコいい熱男を貫く。新型コロナウイルス感染の影響でリハビリ組スタートだったソフトバンクの松田宣浩内野手(38)が、ようやく10日からキャンプA組(一軍)に合流。この日が視察最終日だった城島健司会長付特別アドバイザー(45)から「いい先輩、格好いいベテランになってくれ」とエールを送られ「すごく深い意味があると思う。それを言われただけでも分かることがたくさんある。いい言葉をいただいた」と感謝を口にした。

 ベテランの振る舞いは良くも悪くもチームに与える影響が大きい。城島氏は「彼(松田)は〝いいベテラン〟なのでね。球団の人間から見ても必要なキャリアと人間性。誰もができることではない。苦しい時に、彼の経験とキャラクターがチームと藤本さんを助けてくれると思うのでそういう話をしました」と言う。

 理想のベテラン像を貫くのは簡単なようで難しい。その姿は後進にとって〝継承〟していくべき模範にもなる。チーム関係者は「良い時も悪い時も、変わらぬ姿でベンチを盛り上げられるベテランはなかなかいない。松田が〝カッコいいベテラン〟としての姿を見せ続けてくれることは、次の世代のいいお手本にもなる」と話す。

 実際に、松田の合流からキャンプは一気に活気づいた。松田も「まだまだチームの中で元気を出して活気ある選手は自分だと思っている。17年目で39歳になるけど、そこの砦(とりで)はまだまだ負けることはないと思う」と胸を張る。

 オフの契約更改では昨季の年俸4億5000万円から減額制限の40%を超える3億円ダウン(金額は推定)の屈辱を味わった。言うまでもなく、今年は勝負の年だ。一度は「まずは自分のことを考えたい」とも口にしていたが、染みついた熱男イズムがなくなるわけはない。生き様を見せるシーズンとなりそうだ。