千里の道も一歩から――。広島の小園海斗内野手(21)が謙虚に4度目のキャンプを過ごしている。

 第1クール最終日となった3日にはキャンプ地の宮崎・日南に侍ジャパンの栗山英樹監督(60)が視察に訪れ、首脳陣、選手にあいさつして回った。小園も「体調どうですか? これからもやっていかないといけないから頑張ってね」と声を掛けられたという。

 中学生でU―15、高校生でU―18と日本代表を経験している。トップチームも目指したいところだろうが、小園は「(今は)相手にもならないと思う。またレベルアップできるようにやっていけたら」と控えめに話す。

 3年目の昨季は113試合に出場し、打率2割9分8厘、5本塁打、35打点といずれも自己最高の成績を残した。球団幹部も「小園はもうほぼレギュラー」と話すほどだが、当の本人は「レギュラーでもないんで。(今年は)また一から。昨年も出させてもらいましたけど、また一からしっかりと(定位置を)取れるように頑張ります」と優等生発言に徹する。

 小園は入団1年目から58試合に出場し、4本塁打を放って球団の高卒新人記録を更新するなど大器の片りんを見せた。しかし、翌年はわずか3試合の出場にとどまり〝どん底〟を経験。それだけに1年だけの活躍でレギュラーを奪ったとは言えないと肝に銘じているのだろう。

 昨夏の東京五輪には広島から鈴木誠、菊池涼、森下、栗林の4人が選出されて金メダル獲得に大貢献した。「先輩方が活躍したのを見ていい舞台だなと。自分も大きな舞台でできたらと思う」と話す小園は、一歩ずつその道へと進む覚悟だ。