広島のエースで、今年から選手会長に就任した大瀬良大地(30)がグラウンド外でも男気を見せて、若手から高い支持を得ている。

 今年で入団9年目。今やチーム内で年上は数えるほどとなり、後輩の方が多い。昨年6月で三十路に突入したエース。今季は選手会長にも就任し「プレーもそうですけど、チームをながめて野手にも目を向けてやりたい。若い子も多い。コミュニケーションを取ってチームとして成熟していけるように何とかやりたい」と意気込む。

 若手投手たちの兄貴分として、目立たないところでも一肌脱いでいる。3年目左腕・玉村も世話になった一人。このオフはソフトバンク・和田のもとで自主トレを行ったが、NPB通算143勝のレジェンド左腕との間を取り持ってくれたのが大瀬良で「いろいろツテをたどってくれて実現しました」。ホットラインがあったわけでもないのに、わざわざ人脈をたどって〝和田塾〟入りを実現してくれたことに玉村も感謝しきりだった。

 もともと周囲に気遣うタイプの選手ではあったが、キャンプ地の宮崎・日南入りした31日も大瀬良は新人に対して「彼らにとってもいい環境、プレーしやすい環境をつくっていきたい」と約束した。

 2018年にセ・リーグ3連覇を達成してから3年連続Bクラスと低迷する広島だが、エースの気配りでV奪回への機運も高まるに違いない。