V奪回に向けてメジャー通算109本塁打のガルビスと同52勝のチャトウッドを獲得したソフトバンクでアルフレド・デスパイネ外野手(35)の〝逆襲〟に期待感が高まっている。今季は出戻りのレイを含む外国人7人体制で臨む中、忘れてならないのが、直近2年は不発ながら再契約を結んだ〝キューバの至宝〟の存在だ。

「昨年は東京五輪や故障の影響もあり、コンディショニング面で難しいところがあった。それでも9月以降、まだやれるところを見せてくれた。今年は例年より長いオフを過ごせている。コンディションを整えて臨んでくれれば、やってくれるはず」(球団関係者)

 昨年は2月末に来日。しかし、多くの外国人選手と同様に待機期間を経ての調整に苦戦した。開幕戦から出場したものの86打席ノーアーチに陥るなど大不振。5月末には母国の五輪予選出場のため米国へ。シーズン中に世界を飛び交うことは過去にもあったが、新型コロナ禍の中での調整の難しさは例年以上だった。五輪予選で左胸筋付近を負傷するアクシデントもあった。

 キューバ選手は、日本のオフに国内リーグなどがあることから〝休みゼロ状態〟がザラ。しかもソフトバンク移籍後はCS、日本シリーズまで戦うハードスケジュールが続いていた。それが昨季は4位だったため帰国時期が早まり、今オフは国内リーグにも参加しなかった。来日も昨年より1か月早まる見込みだ。

 昨季も最終的に状態を上げ、9月以降は打線全体が低調な中、39試合で打率3割、8本塁打、29打点と気を吐いた。「彼は(グラシアル、モイネロがいる)キューバ選手の精神的な要で、料理を振る舞ったりと包容力もある。欠かせない存在ですしね」(チームスタッフ)。キューバ軍団をけん引してV奪回の原動力となるか――。