ソフトバンク・藤本博史監督(58)が22日、福岡・筑後のファーム施設を訪れ、新人合同自主トレを視察した。春季キャンプのメンバー振り分けを前に主力組のA組スタートが内定しているドラフト2位・正木、同4位・野村勇の打撃練習を注意深くチェック。「正木は力強さを感じた。野村(勇)はボールに入っていくのがうまい」と印象を語った。

 チームは柳田、松田、牧原大ら主力が新型コロナに感染して調整遅れが懸念される状況。「誰がかかってもしょうがない感じになってきている」と選手をおもんぱかり、今後の調整については「(隔離中は)部屋で走れと言っても走れるわけじゃない。腕立て、腹筋くらいしかできない。当然遅れるんで、そこは焦らせてケガされたら一番困る。ギリギリ間に合ったじゃなく、ちゃんと準備を整えて第3クールぐらいからキャンプに入ってきてもらうという形でいいんじゃないかなって考えてます」と方針を語った。24日に開かれる監督・コーチ会議を経て正式に振り分けを決めるが、キャンプ序盤は筑後での残留調整となる見込みだ。

 藤本監督はかねてA組の陣容に関しては野手最大20人、投手15人を想定。「当然そこ(人数的なところ)は変わってきます。(空いた分の枠には)若い選手を入れます。だから若手にとってはチャンス」とハッパをかけた。宮崎では例年より実戦を前倒しする方針を打ち出していた藤本監督。「若い選手はチャンスと捉えてもらって、当然、実戦から入っていきます。そこは変えない。コロナ(陽性で調整遅れの選手)が出たからゆっくりやろうかというキャンプじゃない」と語気を強め、改めてキャンプ初日からのアピール合戦を求めた。

 A組に繰り上がった選手は、柳田らの合流のタイミングで自動的にB組に戻るわけではない。一軍首脳陣の前でアピールを続ければオープン戦、開幕一軍と道が開ける。「勝った者が開幕に残れると考えてくれたらいい」と〝大穴〟の出現に期待を寄せた。

「自主トレの報道を見ていても、みんな頑張っている」と目を細めた藤本監督。サバイバルのゴングがもうすぐ鳴る。