〝無名〟から全国区へ――。巨人のドラフト1位・大勢投手(22=関西国際大、本名・翁田大勢)らルーキー17選手が、14日からジャイアンツ球場で新人合同自主トレをスタートさせた。伝統球団の門をくぐった金のタマゴたちだが、その知名度は決して高いとは言えない。名を上げるには結果を残すことが最重要となる一方で、2人の〝名プロデューサー〟の手腕にも注目が集まっている。


 新人たちの船出に、この日は原辰徳監督(63)ら首脳陣やスカウトたちが大集結。金のタマゴたちの一挙手一投足に目を凝らし、指揮官は「今の気持ちを忘れずに最後の最後までやる。(現役生活が)何年になるか。この中には20年やる人もいるかもしれない。今の心境を忘れず、大志を持って頑張ってください」などと激励のメッセージを送った。

 そんな中、チームスタッフからは「まだ始まったばかりではあるけれど、話題性という面ではなかなか厳しいものがある。これからまず結果を残し、野球界の枠を超えてお茶の間にまで届くような選手になってほしい」との声も聞かれた。確かに、かつて甲子園をわかせ、日本じゅうの注目を集めてプロ入りした斎藤佑樹氏や田中将大(楽天)、清宮幸太郎(日本ハム)らの世間的な知名度には及ばない。まず本業の野球でステータスを築いていくことが大前提となるが、全国に名をとどろかすには2人のキーパーソンがいる。

 まずは原監督だ。その発信力は球界内でも屈指で、主砲・岡本和をかつて「ビッグベイビー」「若大将」と命名すると瞬く間にファンの間に知れわたった。また、今回のドラ1ルーキーの登録名を「大勢」としたのも原監督の発案。名字以外の名前が登録名となったのは球団史上初の出来事だった。

 そして、もう一人が今村司球団社長(61)だ。かつては日本テレビのプロデューサーで「ザ!鉄腕!DASH!!」や「家政婦のミタ」などを手がけ、社長就任後も「対世間」を強く意識。坂本を「はごろもフーズ」、岡本和もロート製薬の目薬のCM出演に導き、丸も「まる」のCMでおなじみの白鶴酒造とのタイアップを実現させた。

 もちろん、こうした球団の「顔」として売り出すには、グラウンドでの活躍が不可欠。初日を終え、大勢は「いよいよ始まったなという感じです。自分のセールスポイントは球の強さや真っすぐの強さ。開幕一軍を狙っていきたい」と意気込んだ。これからどこまで羽ばたけるのか、今後が見ものだ。