12球団の新人選手研修会が12日にオンラインで行われ、アンチドーピング活動、薬物乱用防止、税の意義と役割、暴力団の実態と手口、SNSの使用モラルと危険性などについて専門家が講演した。

 なかでも新人選手たちの目を輝かせたのが、侍ジャパンU12代表監督を務める井端弘和氏(46)の講義。とりわけ詳しく語ったのは、自身が現役時代に取り組んだ「スランプ克服法」のテーマだ。「どこが悪いかわからないままに打ってたら打てないフォームがどんどん固まっていくだけになる」とした井端氏は「原因分析が非常に重要かなと」と強調。

 これは打者だけでなく投手にも当てはまると話した井端氏は「自分のいい時を映像に残しておくなり『今こうだから打てている』ということを知っておくことが重要」とし自身が打てなくなったらビデオのスローモーションを見ると明かした。

「バットをコマ送りのように振って。私の場合は悪くなると打ってる最中の肩のあたりの反応が速くなる。『ここ』というところで、ゆっくりといい形を何回も繰り返しやり、変な反応がなくなってからその時点で初めてボールを打ち、いい形を取り戻すことをずっとやってました」

 さらに深刻な場合は「打つ時と(球を)捕る体の動きは一緒なので守備をたくさんして感覚を取り戻すこと」をしたり「キャッチボールを大事にやっていくのも一つの手かな」とスランプ脱出のための方法論を具体的に話し、新人選手たちは真剣な表情でメモを取っていた。