広島が大胆世代交代! 選手会からOB会まで…新たな黄金世代築くための布石か

2022年01月12日 14時00分

選手会長に就任した大瀬良(東スポWeb)
選手会長に就任した大瀬良(東スポWeb)

【赤坂英一 赤ペン!!】広島で大がかりな世代交代が進んでいる。ここ3年間は下位に低迷しているためか、あまり話題にならなかったが、選手会が非常に大胆な役員の入れ替えを行ったのだ。

 田中広輔(32)の後を継ぐ新会長に大瀬良大地(30)。副会長には九里亜蓮(30)、堂林翔太(30)、野間峻祥(28)。さらに書記に西川龍馬(27)、会計に森下暢仁(24)。

 大瀬良、堂林、九里らトップの3人は今年取得したFA権を行使せずに残留。推定で大瀬良は3年8億円、九里は3年6億5000万円、堂林は単年3600万円の契約を結んだ。これで他球団移籍もあると見られた大瀬良、九里は広島の大黒柱として骨を埋めるハラを固めたようである。プロ2年目で会計就任と、異例の抜てきとなった森下は、大瀬良会長自ら指名したもの。新体制でチームを引っ張っていくのに当たり、自分と同じ大卒ドラフト1位入団の森下に、主力選手として自覚と責任を持たせようと考えたに違いない。大瀬良の後輩への面倒見の良さは以前から定評がある。一昨年、コロナ禍前にインタビューした際も、大瀬良は「これから僕が投手陣を引っ張っていかないと」と、自覚のほどを明かしていた。当時は広島出身の真由夫人と結婚したばかりとあって「若い子たちを家に呼んで食事会なども開きたいですね」という計画も披露。それまでにも、若手が不調や故障で苦しんでいると知ると、積極的に声をかけ、相談に乗っていたという。

 その大瀬良会長や九里副会長は、2016~18年の3連覇当時、田中広前会長のような主力ではなかった。堂林・野間副会長は今も控えだ。こういう若返りの選手会人事を球団も容認したということは、3連覇時代からの世代交代を図り、新たな黄金時代を築くための布石と見ていいだろう。

 一方では、コロナ禍で入場料収入が減った影響もあってか、9人が戦力外通告を受けた。中でも最も厳しさを感じさせたのは大瀬良の同級生で、09年ドラフト1位だった今村猛の解雇である。
 3連覇時代は抑えと中継ぎでフル回転し、17年はリーグ最多の68試合に登板。昨年一軍登板がなかっただけでもう戦力外とはいささか寂しい。

 メジャー移籍が確実な鈴木誠也の同級生で、12年ドラ1の高橋大樹(27)も戦力外。初安打に6年もかかった遅咲きの選手ではあったが、19年、初本塁打を放った時には大化けを期待されていただけに、こちらも球団の厳しさを感じさせた。

 ちなみに、世代交代の波は広島OB会にも押し寄せている。8年間会長を務めた安仁屋宗八氏(77)が退任し、大野豊氏(67)が会長に就任。副会長に達川光男氏(67)、山崎隆造氏(63)、山内泰幸氏(47)が就任する。新役員のメンバーは、私が昔、旧広島市民球場で取材したカープのヒーローばかり。ここに時代の移り変わりを痛感したオールドファンも少なくないことだろう。

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。

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