阪神の超人・糸井嘉男外野手(40)も日本ハムのビッグボス・新庄剛志監督に〝刺激〟を受けている一人だ。今春キャンプ時にテレビ局の企画で対談して意気投合。「引退するぐらいの気持ちでやれ。そうすれば痛いところなんかなくなる」と〝魔法の言葉〟をかけられ、近年悩まされていた左ヒザ痛を克服したこともあり、再会を心待ちにしている。

 日本ハム時代から糸井を知る球界関係者も「今の阪神で新庄監督のマネというか、その振る舞いをマネてサマになるのが嘉男」と言う。2人には相通じる部分があるからだ。その一つが頭髪に対するスタンスだろう。

 新庄ビッグボスは「白髪染めをしていなかったら僕の髪は真っ白」と明かして話題になったが、糸井も鮮やかな金髪にしている理由は同じ。幾多の試練や困難を乗り越えてきた40歳のベテランの髪は相応に白いものが多くなっている。カラーリングしているのは人に見せる必要のない苦労という認識があるからこそ。外部には格好良く見せるため、髪は常に鮮やかな色を放つよう心掛けている。

 華やかな見た目とは対照的なストイックな一面も共通点だ。ビッグボスは「人が寝ているときほどチャンス」と、深夜にトレーニングに打ち込む姿を何度も自身のインスタグラムにアップしているが、糸井もマインドは同じ。9月26日の日曜日には敵地・東京ドームでの巨人とのデーゲームで走者一掃の二塁打で勝利に貢献すると、試合後に帰阪して深夜に行きつけのスポーツジムに直行した。シーズン終盤で名古屋→東京の6連戦後という誰もが疲労回復を優先したくなるタイミングでも人知れず自分磨きに時間を割くのが糸井流だ。

 阪神OBでもあるビッグボスの〝イズム〟を受け継げるのは、やはりこの男しかいない。破天荒な一面はあっても、やることはやる。チーム最年長となっても、まだまだ老け込むことはない。