期待されるのはさらなる成長曲線だ。ヤクルトの村上宗隆内野手(21)が20日に東京都内の球団事務所で契約交渉し、1億2000万円増の年俸2億2000万円でサインした。高卒5年目野手としてはイチロー(オリックス)の2億円、松井秀喜(巨人)の1億6000万円を上回り、歴代トップだ。

 4年目の今季は昨年から2年連続で全試合4番を任された。セ・リーグのMVPにも選出された燕の主砲は「今年、リーグ優勝をして日本一になった。また、チームの4番を打たせていただいたところをたくさん評価してもらった」と満面の笑みだ。

 打率2割7分8厘で、いずれも自己最多の39本塁打、113打点。本塁打は巨人・岡本和に並ぶリーグトップ。初めてキングに輝いた。打点も岡本和と1差のリーグ2位で「ほぼ2冠」が球団の評価だ。

 まだ21歳で伸びしろも十分に期待できる。球団関係者は「盗塁王は難しいだろうけど、村上なら〝打撃5冠〟もできると思っている。それぐらいの期待をしている」と話す。昨季の村上はトップの佐野(DeNA)と2分1厘差ながら打率5位にランクインし、最高出塁率のタイトルを獲得している。実績のある本塁打と打点に加え、首位打者となれば最多安打も見えてくるというわけだ。

 村上は打率3割、30本塁打、100打点をクリアすべき数字と考えており、来季に向けて「まだ余力があるというか、もっとできる。今季の成績をベースに打率3割、40本塁打、100打点ぐらいを叩き出せたら満足のいくシーズンになるかなとは思う」と意気込んでいる。

 ヤクルトの歴代最高年俸は山田の5億円。それこそ5冠王に輝けば、その数字も視野に入ってくるかもしれない。(金額は推定)