次期主将にもはや選択の余地なし!? 巨人・坂本勇人内野手(33)が15日に東京都内の球団事務所で契約交渉を行い、1億円増の6億円で更改した。来季で球団史上最長に並ぶキャプテン就任8年目。〝主将ラストイヤー〟と位置づけており、来オフには次世代にバトンタッチする意向だ。2年前には2人の候補者を念頭に置いていたが、その現状は――。

 まだやれる。今季は5月に右手親指骨折による離脱もありながら117試合に出場し、打率2割7分1厘、19本塁打、46打点の成績だった。2018年オフに変則的な5年契約を締結。今季まで3年間の年俸は固定され、来年からこの3シーズンの成績を加味した上での変動制となっていた。

 その中で19年に自身初の40本塁打をマークし、20年には通算2000安打も達成。「まずは自分の成績アップ。一本一本積み上げて、立浪さんの記録に近づきたい」。新たな個人目標として、中日・立浪監督が持つ歴代最多二塁打(487=坂本は402)を加えた。

 来季も主将としてチームをけん引していく。先月の秋季練習中に自ら原監督へ続投の意思を伝え、快諾を得た。とはいえ、いつまでも重責を背負い続けるわけにはいかない。坂本自身も「やってもあと1年ぐらいやと思う」と話している。来オフには〝後継問題〟に直面するため、それまでにチーム全体をまとめられる後釜が必要となる。

 最有力候補は2年連続で打撃2冠王に輝いた岡本和真内野手(25)だ。実際、今オフに坂本が名前を挙げたのは岡本和だけで「和真は自立してちゃんと自覚を持ってやっているし、全然キャプテンをやっても大丈夫だなとは思います」。ただ、あえて禅譲しなかったのは「彼は4番としていろいろ大変なことも感じていると思うので、みんなで(負担を)分散してあげられれば」との配慮からだった。

 こうした状況に、チームスタッフからは「欲張りかもしれないが、1人しか名前が出ないのは寂しい。誰にするか悩ませるくらい下の世代から出てくればチームも強くなる」との声も…。

 19年オフ、そもそも坂本が主将を託そうとしたのは小林誠司捕手(32)だった。岡本和も坂本の頭の片隅にはあったが、当時はまだダークホース的な存在で「誠司はいろいろ考えながらやっているのを見ていますけど、もっともっと考えてチームのことまで大きく考えてほしい。数字ももっと出さないといけない」と期待をかけた。

 しかし、小林は20年に2度の骨折に見舞われ、大半がファーム暮らし。今季は正捕手争いで大城の後塵を拝し、打率も2年連続で1割に届かず、ついに坂本の口から「小林」の名前が語られることはなくなった。

 現状は小林の〝脱落〟で次期主将は岡本和の一択だが、来季は新たな候補者が現れるか。

=金額は推定=