威風堂々としていた。プロ野球の表彰式「NPBアワーズ」が15日、東京都内のホテルで行われ、今季の最優秀選手賞(MVP)にセ・リーグからは20年ぶりに日本一に輝いたヤクルトの村上宗隆内野手(21)が初選出。セでは1996年の松井秀喜(巨人)の22歳を抜き、史上最年少の受賞となった。

 今季は燕の4番として全143試合に先発出場。打率2割7分8厘、39本塁打、112打点のハイパフォーマンスで高卒4年目にして初の本塁打王にも輝くなどチームを頂点へと導いた。

 壇上では表情を引き締めつつ「すごく光栄に思う。これからの野球人生に生かしていきたい。その中でもやはり1人で取れるような賞ではないですし、本当にチームスワローズ、僕を支えてくださった、たくさんの方々に感謝したい」と述べた。

 また「本当に最高のシーズンになった。チームとしてトップに立てたということが一番うれしい」とも続けたが、その後には「凄く光栄だが、これを続けることがすごく難しいと思う。また続けられるように頑張る」と自分に言い聞かせるようにコメント。この日はセ・リーグのベストナイン三塁手部門でも初受賞となり〝2冠〟を達成した21歳のたたずまいは最後まで堂々と威厳に満ちあふれていた。

 9月19日の広島戦では、21歳7か月で通算100号本塁打を達成。清原和博氏(当時西武)を超え、史上最年少記録を塗り替えた。日本シリーズでも2本塁打を放って日本一に貢献しただけでなく、今夏には侍ジャパンの主力として東京五輪で金メダルも獲得。まさに「史上最年少MVP」にふさわしい、大躍進の1年となった。

 自身の目指す〝理想〟については「打てるもんなら10割打ちたいですし、打てるもんなら毎打席ホームランを打ちたい。それを求めて僕たちはやっている。究極は何でも打てるバッターかなと思う」と言葉に力を込めた。2022年シーズンも村上は究極を追い求め、ますます進化しそうだ。