待望の入団決定だ。DeNAは13日、日本ハムから自由契約となっていた大田泰示外野手(31)と2022年シーズンの選手契約を結ぶことで合意したと発表した。

 背番号については決まり次第、発表されるという。年俸は5000万円で出来高もプラスされているとみられる。

 魅力十分の「右の大砲」だ。大田は東海大相模高から2008年にドラフトで1位指名された巨人へ入団。16年オフに日本ハムへトレード移籍すると主に右翼手でレギュラー起用され、長打力および好守を誇る大型野手として活躍した。日本ハムに移籍した2017年以降は4年連続で100試合出場を果たすなどチームの中心的な選手となった。19年に20本塁打をマークしたのを筆頭に4年連続で2桁本塁打も記録している。20年にはゴールデングラブ賞にも選ばれた。

 今季は76試合出場にとどまり、打率2割4厘、3本塁打、20打点とふるわず、シーズン終了後の11月16日に日本ハムから来季の契約を結ばないことを通達され「ノンテンダー」となっていた。他球団も調査に乗り出す中、DeNAは水面下で粘り強い交渉を続け、ついに大田から朗報を得た。

 DeNAの外野レギュラー陣は今季を振り返ってみると佐野、桑原、オースティンでほぼ固定されている。だが控え選手が不足しており、同時に右の代打も求めていたチームにとって大田は最高のピースとなる。

 しかもチーム内からは新加入の大田に関し「レギュラーも十分可能」と太鼓判を押す声が出ていることも見逃せない。

「大田は代打起用よりも常時出場にこだわるタイプで、そのほうが能力を発揮しやすいこともチーム側は言うまでもなく把握している。外野陣に時折休養を与える際のスタメンだけではなく、巨人時代の2015年まで経験した一塁守備も復活させればユーティリティーとして活用できる上に起用法のバリエーションも広がるだろう。それに加え、高校通算65本塁打の成績を残した東海大相模時代でプレーしていたルーツをたどれば、横浜は〝第二の地元〟と評してもいい。高校時代からプレーしていたハマスタ(横浜スタジアム)は彼にとって勝手知ったるホームグラウンド。環境がガラリと変わって本拠地が狭いセ・リーグでの戦いならば、本塁打を量産し再生する可能性は高い。キャンプから大田に外野でレギュラー争いさせ、結果を残せばポジションを与えると首脳陣は当然考えているはずだ」(球団関係者)

 その一方で大田はかねて「意気に感じて燃えるタイプ」と評されており、セ・リーグが新天地となるだけに古巣・巨人との試合で「Gキラー」として大暴れすることも期待されている。「ハマのタイシ」の打棒爆発が今から待ち遠しい。(金額は推定)