日本ハム・新庄再生工場オープンか 球団ぐるみで後押し

2021年12月14日 14時00分

トライアウトで4選手の名前を挙げた新庄ビッグボス(東スポWeb)
トライアウトで4選手の名前を挙げた新庄ビッグボス(東スポWeb)

【赤坂英一 赤ペン!!】新庄ビッグボス、野村再生工場の再現を狙っているようだ。しかも、日本ハムが球団ぐるみで後押ししているらしい。13日には、前巨人の古川侑利投手と育成契約で合意したと発表した。

 新庄監督は古川も参加した8日の12球団合同トライアウトを視察した際に、印象に残った選手として4人の名前を挙げている。外野手の元巨人・山下航太と元楽天・中村和希。右投手の元阪神・高野圭佑、元オリックス・金田和之だ。

 高野については、台湾で覚えた「カットボールが目についた」と指摘。山下は「ファームで首位打者を取ってる」実績をたたえながら、「(守備での)肩が気になるので、ウチで獲るならDHなど面白い」と評価の中身もなかなか具体的だった。

 しかし、投手は打者3人、打者は6打席の試技だけで本当に能力を見極められたのか。いくら新庄監督が今年ファームを熱心に視察していたとはいえ、昨年までは14年間バリ島暮らし。本人も「日本の野球は見ていない」と公言しているほど。

 そんな疑問を他球団の編成担当にぶつけてみると、「新庄監督の分析は日本ハムのフロントが仕込んだものと見ていい」と、こう解説された。

「新庄監督はあのような発言をする場合、事前に必ず球団関係者に入念な根回しや打ち合わせをしている。今回は山下ら4選手をチェックしていた球団の編成担当から、彼らについての詳しい情報を聞いていた、と考えたほうが自然でしょう」

 これだけ選手の名前を挙げておいて、来春キャンプにテスト参加もさせなかったら、新庄監督が空手形を振り出したことにもなる。今回の発言は球団ぐるみで取り組んでいるチーム再編成の予告編だった可能性も大だ。

 となると、日本ハムの目的は、名将・野村監督がクビになった選手を生き返らせた野村再生工場の再現ではないか。ヤクルトで元広島の小早川毅彦や元ダイエーの田畑一也、阪神で遠山奨志、楽天では元中日の山崎武司と、ノムさんが多くの選手をよみがえらせた伝説のファクトリーである。

 新庄監督は阪神時代、打者に転向していた遠山が、野村監督によって投手に復帰。フォームもサイドスローに変えて、巨人・松井秀喜を封じる“ゴジラキラー”に変貌する過程を間近に見ていた。

 今年のトライアウトで評価していた高野や金田にも、そういう秘めたる可能性を見ていたのかもしれない。さて、日本ハムは本当に彼ら4人を雇うだろうか。新庄監督が「まだ1年目でペーペーなのでそういう力はない」と、逃げ道をつくっていたのがちょっと気になるが。

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。日本文藝家協会会員。最近、Yahoo!ニュース公式コメンテーターに就任。コメントに「参考になった」をポチッとお願いします。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」「プロ野球二軍監督」(講談社)など著作が電子書籍で発売中。「失われた甲子園」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。他に「すごい!広島カープ」「2番打者論」(PHP研究所)など。 

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